歴史をば
肌身に感じ
偉大さに
我が身小ささ
禅の道にて
洛北 圓光寺 十一月三日
この企画は、父親がガンとの闘病中でも「謳歌」する生き方を実践し、86歳まで誇りを持ちながら前進したことを伝えるために始まりました。彼の晩年には腎臓病、心筋梗塞、前立腺がんとの闘いがありましたが、謳歌の精神を貫き、その生き様を示しました。
この企画の目的は、父の詩や文章、彼との出来事を通じて、家族の絆や人生のあり方について示唆を提供することです。彼の「謳歌」するメンタリティは同じ病気を抱える人々やその家族にとって支持となり、勇気や力を与えるでしょう。この企画が多くの人々にとって励みや支えとなり、家族の絆を深める一助となることを願っています。
禅の道 ・洛北記 応挙竹林 ~禅の道にて~
この詩は父・博が2015年11月3日の文化の日に私たち家族で京都・洛北エリアを日帰り旅行した際のことを詩に綴っています。
詩に書かれた場所は、圓光寺の庭園内にある応挙竹林。
あたり一帯を色鮮やかな青い竹林が広がる素晴らしい場所に出会ったことに対して父・博は「深く静かな感動」と語っていました。
その境地にいたることができた“仕掛け”がこの圓光寺の庭園の道にあったのです。
季節は11月。紅葉がきれいな季節で、庭を歩き始めたときは辺りの紅葉の美しさに心を奪われていました。
本堂から十牛の庭沿いに道を歩いてきて、紅葉の美しさに心がいっぱいになった時のこと、奥の角を曲がってみると突然現れるさわやかな一帯に広がる青い竹林・・・
ハッと一瞬息をのむ思い
・・・まさかと思ったこの味わい深い“仕掛け”に自然界の偉大さを瞬時に受け取った父・博は、思わず自分の小ささを悟らざるを得ませんでした。
人生の終焉が近づいていて、ガンという病と闘病し、抗がん剤による副作用にも苦しんでいる状態でしたが、この圓光寺の庭にきて「生きること」を諦めるのではなく「生きねば」でもない。
ただあるがままの命を「生きる」。
それが自然に謳歌することなのだと気づかされた父・博は苦しいときは苦しみ、うれしいときはうれしいと素直にそれでいいじゃないかと思えたそうです。
「こんな小さな自分でも偉大なる自然は丸ごと受け入れてくれる」いや、「小さいからこそ自然の偉大さに受け入れられ“まるで生まれ変わったかのような偉大さと共にある新しい自分が目覚めた”」
父・博はこの短い詩を書き終え、応挙竹林での境地を詩という遊びごころのある“方便”として伝えました。
身体は老い、重い病でありながらも心は限りなく自由でした。
応挙竹林
円山 応挙(まるやま おうきょ)は、江戸時代中期~後期に活躍した絵師。
その系統は京都画壇において現代まで脈々と続く、円山派の祖となる人物です。
円山応挙が圓光寺の竹林へとよく通ったと伝わり、応挙竹林とよばれるようになりました。応挙はこの竹林をモデルとして「雨竹風竹図(重要文化財)」を描きました。その心は、雨竹は雨に濡れている竹、風竹は風に吹かれている竹のことで、この竹林の情景は、常に変化を続ける人間のあり方そのもの。
刻一刻と表情を変える竹林に、禅門の本質をみたのかもしれない。
引用元:圓光寺
父・博は諸行無常、四苦八苦のある人生の中に応挙竹林と自身を重ねたのかもしれませんね。
圓光寺の境内にある瑞雲閣(展示室)では、円山応挙筆の「雨竹風竹図屏風」をはじめ伏見版木活字など貴重な作品が見られます。(写真撮影可能)
基本情報とアクセス
圓光寺(えんこうじ)
拝観料:大人 \500 高・中 \400 小 \300
本尊:千手観音菩薩
住所:〒606-8147 京都府京都市左京区一乗寺小谷町13
アクセス:叡山電鉄叡山線:一乗寺下車 徒歩15分
叡山電鉄叡山線:一乗寺
拝観時間:午前9時~午後5時
駐車場:駐車場有り(30台)
定休日:なし
電話番号:075-781-8025(電話受付時間:午前9時~午後5時まで)
HP:https://www.enkouji.jp/
紅葉特別拝観
拝観期間:11月12日(土)~12月4日(日)
拝観料:大人 ¥1,000 / 高・中・小学生 ¥500
時間:8:00 ~ 17:00
予約受付開始:10月20日(木)9:00(予約制)
事前予約ページ:https://reserve-enkouji.jp/